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Q. 兄弟(姉妹)の遺産を異母兄弟(異父兄弟)と相続する場合のトラブルの対処法・注意点を解説

2024年1月25日更新


【この記事の内容】

・兄弟の遺産を異母兄弟が相続する場合の法定相続分
・異母兄弟の連絡先がわからない場合の対処法
・相続対策を行うべき理由、具体的な相続対策


遺産相続において相続人の中に異母兄弟がいる場合にトラブルが起きることは珍しいことではありません。また、親の遺産を相続する場合と、兄弟(姉妹)の遺産を相続する場合とでは、異母兄弟の相続分が異なります。そのため、相続人に異母兄弟がいる場合には注意が必要です。
なお、この記事では、兄弟(姉妹)の遺産相続において相続人の中に異母兄弟がいる場合を中心に解説しますが、異父兄弟がいる場合も同様です。

※親の遺産相続において相続人の中に異母兄弟がいる場合についてはこちらのページをご覧下さい。

異母兄弟=母親が違う兄弟 異父兄弟=父親が違う兄弟

異母兄弟は父親は同じで母親が違う兄弟、異父兄弟は父親が違うが母親は同じ兄弟のことを言います。異母兄弟と異父兄弟は、父母のどちらかのみが同じ兄弟なので、半血兄弟ともいいます。それに対し両親とも同じ兄弟を全血兄弟といいます。
全血兄弟と半血兄弟の関係が良くないケースは少なくありません。遺産相続において相続人の中に異母兄弟がいるケースでは揉めやすい傾向があるため注意が必要です。

兄弟(被相続人)の財産を異母兄弟と共に相続するケース

兄弟が相続人になる場合、異母兄弟も被相続人の兄弟として相続人になることができるため、兄弟の財産を異母兄弟と共に相続することになります。例えば、以下の家族構成では、兄弟Aと異母兄弟Bが被相続人の遺産を相続することになります。

【具体例】
・被相続人
・被相続人の兄弟(全血兄弟)A
・被相続人の異母兄弟(半血兄弟)B
・被相続人には、子・孫などの直系卑属、親などの直系尊属はいない

兄弟(全血兄弟)と異母兄弟(半血兄弟)の法定相続分(相続する割合)

兄弟(被相続人)の遺産を相続する場合、異母兄弟(半血兄弟)の法定相続分は両親が同じ兄弟(全血兄弟)の半分になります。例えば、上記具体例では、兄弟Aが3分の2、異母兄弟Bが3分の1の法定相続分を有します。また、上記具体例に加えて被相続人の配偶者Cが存命していた場合には、配偶者Cが2分の1、兄弟Aが3分の1、異母兄弟Bが6分の1の法定相続分を有します。

異母兄弟との遺産分割手続き

(1) 遺言書がない場合

異母兄弟に連絡し、異母兄弟を含む相続人全員で遺産分割協議を行います。協議がまとまらなかった場合は調停や審判などを経て遺産分割を行う必要があります。

(2) 遺言書がある場合

遺言書の内容によって遺産分割協議が必要な場合と不要な場合があります。遺産分割協議が必要な場合の進め方は(1)と同じです。遺産分割協議が不要な場合は、遺言書に基づいて不動産の登記や預貯金の払い戻しといった相続手続を進めます。他の相続人に連絡する法的義務がない場合もありますが、トラブルを防止するためには他の相続人に連絡した上で相続手続を進めると良いでしょう。

※遺言書がある場合に遺産分割協議の必要性についてはこちらのページをご覧下さい。

異母兄弟の連絡先が分からない場合

異母兄弟との関係が希薄で、連絡先が分からないという場合も少なくありません。異母兄弟の連絡先が分からない場合には、以下の手順で連絡先の確認や連絡が可能です。

・被相続人の父親の戸籍で異母兄弟の現在の本籍を確認

被相続人の父親が生まれてから亡くなるまでの戸籍を調査することで異母兄弟の現在の本籍を確認します。なお、異父兄弟の場合は被相続人の母親の戸籍から辿ることができます。

・異母兄弟の現在の本籍がある市区町村役場に戸籍の附票を請求

異母兄弟の現在の本籍がある市区町村役場に戸籍の附票を請求することで、異母兄弟の現在の住所を確認することができます。

・手紙を送る

確認した異母兄弟の現在の住所宛てに手紙を送ります。なお、これまで連絡を取っていなかった異母兄弟の住所に急に訪れると、心の準備ができていない異母兄弟との間でトラブルになる可能性があります。まずは手紙を送るところから始めると良いでしょう。

上記の手順で連絡が取れなかった場合、遺産分割を進めることはできません。遺産分割は相続人全員で行う必要があるためです。遺産分割を進めるためには不在者財産管理人の選任申立てや、失踪宣告の申立てなどを検討する必要があります。

被相続人の兄弟姉妹には遺留分がない

被相続人の兄弟(異母兄弟を含む)には遺留分(最低限の取り分)がありません。そのため、上記の例で、異母兄弟Bの相続分が0でも、異母兄弟Bは遺留分侵害額請求をすることはできません。
遺言書がない場合には法定相続分に従って遺産分割を行うことになりますが、遺言書を作成することで法定相続分とは異なる相続分を指定することができます。例えば、遺言書で兄弟Aに全て相続させ、異母兄弟Bの相続分は 0 にすることも可能です。

トラブル防止のためには遺言書の作成がお勧め

被相続人の兄弟(異母兄弟を含む)には遺留分はありませんが法定相続分があります。その上、異母兄弟がいるケースは揉めることも少なくありません。そのため、個々のケースに適した相続対策が必要です。具体的には、遺言書を作成することで遺産分割手続きを不要としたり、異母兄弟の相続分を少なくするといった方法が考えられます。

まとめ

遺産相続において相続人の中に異母兄弟がいる場合には特に相続対策が重要です。また、異母兄弟との相続は連絡が取れない、相続で揉めるといった問題が起こりやすい傾向があります。自分が亡くなった後、相続人間で争いにならないか心配といったお悩みや、異母兄弟との相続手続きに関するお悩みをお持ちの方は是非弁護士にご相談下さい。

※遺産分割に関する相談をご希望の方は「遺産分割協議・調停・審判」をご覧ください。
※遺言書の作成に関する相談をご希望の方は「遺言書作成」をご覧ください。

【記事監修者】

白土文也法律事務所・代表弁護士 白土文也 (しらとぶんや)  
第二東京弁護士会所属  中央大学法学部法律学科卒業

当事務所が最も注力する分野は遺産相続問題です。
遺産分割、遺留分侵害額請求、相続放棄、遺言書作成、家族信託、事業承継など遺産相続に関わる問題全般に対応しております。
相談件数の半分以上を相続問題が占めており、所属弁護士5名全員が、日々、相続に関して研鑽を積んでおります。是非、ご相談ください。  
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