相続Q&A
遺産相続問題に関するよくある質問や、相続に関する基礎知識・豆知識、判例などをQ&A方式でご紹介いたします。
Q. 生前に遺産分割協議をすることは可能でしょうか?【生前の遺産分割協議の効力について解説】
生前の遺産分割協議は無効
生前に遺産の分割について話し合うことは可能ですが、法的な効力はありません。遺産分割協議は被相続人が亡くなり相続人が確定した後に、相続人の間で行う手続きだからです。裁判例でも生前の遺産分割協議に法的効力は認められていません。
東京地裁平成17年12月15日判決 「遺産分割は、共同相続した遺産を各相続人に分割する手続であって、遺産及び相続人の範囲は、相続の開始によって初めて確定するものであり、相続開始後における各相続人の合意によって成立した協議でなければ効力を生じないものと解すべきである。」 |
生前の相続対策は遺言書を作成する必要あり
生前に遺産の分割について話し合っておくことで、遺産分割がスムーズに進むケースもありますが、上記の通り、法的な効力はありません。相続トラブルを防止するには、遺産分割手続きが不要で遺留分の侵害もない遺言書を被相続人が作成しておくのがお勧めです。また、仮に遺留分を侵害するリスクがある場合は、遺留分の放棄その他の遺留分対策も検討する必要があるでしょう。
(関連記事)「Q. 遺留分対策の8つの具体的方法を弁護士が解説」 |
【記事監修者】 白土文也法律事務所・代表弁護士 白土文也 (しらとぶんや) 第二東京弁護士会所属 中央大学法学部法律学科卒業 当事務所が最も注力する分野は遺産相続問題です。 遺産分割、遺留分侵害額請求、相続放棄、遺言書作成、家族信託、事業承継など遺産相続に関わる問題全般に対応しております。 相談件数の半分以上を相続問題が占めており、所属弁護士5名全員が、日々、相続に関して研鑽を積んでおります。是非、ご相談ください。 弁護士のプロフィールはこちら |
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