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Q. 【相続の期限一覧】遺産相続手続きに時効や期間の制限はあるのか?
更新日:2025年4月24日

【記事監修者】 ![]() 弁護士法人しらと総合法律事務所・代表弁護士 白土文也 (しらとぶんや) 第二東京弁護士会所属 中央大学法学部法律学科卒業 【代表弁護士白土文也の活動実績】 ・相続弁護士基礎講座(弁護士向けセミナー)講師(レガシィクラウド動画配信) ・ベンナビ相続主催「相続生前対策オンラインセミナー」講師 ・弁護士ドットコム主催「遺産相続に関する弁護士向けセミナー」登壇 その他、取材・講演多数 弁護士のプロフィールはこちら |
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相続は誰もが経験することですが、何度も経験することではなく、何をいつまでにすべきか知らない方がほとんどではないでしょうか。また、法律・税金・登記など専門的な知識が無いと対応できないことも多くあります。このように多くの方にとって不慣れな相続手続きですが、日々の生活や仕事があり、忙しさのあまりあっという間に時間が過ぎていくのが現実です。
しかし、期限を過ぎるとペナルティを課されることもありますので、粛々と進める必要があります。なお、この記事で解説した項目の他にも相続に関する手続きには様々なものがあり、相続が発生した後に期限内に手続きを進めることは相当の負担になりますので、例えば、生前に遺産を確認したり、手続きすべき役所を調べておくなどして備えておくことが望ましいでしょう。
遺産分割協議の期限
被相続人が死亡して相続が開始すると、遺言書が無い場合や遺言書があっても遺言書では処分が定められていない遺産が存在する場合は、相続人たちの間で遺産をどのように分け合うかを決める遺産分割協議を行うことになります。この遺産分割協議自体には法律上の期限はありません。したがって、相続開始から何年も経過した後であっても、遺産分割協議を行うことが可能です。例えば、自宅の土地建物について遺産分割協議をせずに法定相続分の割合で相続人らの共有のままにしておくこともありますが、相続開始から数年経過した後に遺産分割協議を行い、相続人の1人が取得する内容で遺産分割を成立させて名義変更を行うことも可能です。ただし、後述する不動産登記制度や税制上のメリットとの関係、そして改正相続法について注意する必要があります。
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相続放棄・限定承認の期限

相続放棄とは、被相続人の一切の相続財産(資産だけでなく負債も)の承継を放棄することをいいます。また、限定承認とは、被相続人の相続財産を承継するものの、相続した債務については、相続した財産の範囲内でのみ弁済し、それ以上の責任を負わないようにする方法をいいます。
相続放棄や限定承認をする場合、相続の開始があったことを知った時から3ヶ月の期限内に家庭裁判所に申述しなければなりません。具体的には戸籍謄本などを収集し、申述書という書類を家庭裁判所に提出する必要があります。この3ヶ月の期間を熟慮期間といいます。なお、「相続の開始があったことを知った時」とは、一般的には、相続人が被相続人の死亡の事実を知った時となります。何も手続きをせずに熟慮期間を経過した場合、単純承認をしたものとみなされ(法定単純承認)、その後に相続放棄や限定承認をすることができなくなるため注意が必要です。
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遺留分侵害額請求の期限
遺留分とは、相続財産のうち相続人が必ず相続することができる最低限の権利をいいます。遺留分が侵害される場合、遺留分を有する相続人は遺留分を侵害する者に対して、遺留分侵害額に相当する価値を金銭で請求することができます。
遺留分侵害額請求にも期限があり、具体的には、相続の開始及び遺留分の侵害があることを知った時から1年以内にする必要があります。例えば、相続開始してから半年後に、相続人の1人に全ての遺産を相続させる内容の遺言が存在することが判明し、自らの遺留分が侵害されていることを知った場合は、その時点から1年以内に請求しないと時効により権利が消滅してしまいます。また、遺留分の侵害のあることを知らなかったとしても、相続の開始から10年を経過すると、遺留分侵害額請求はできなくなります。なお、遺言の有効性について争っている場合でも、実務上、時効消滅しないように、予備的に遺留分侵害額請求もしておくのが一般的です。
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準確定申告の期限
被相続人が死亡した年に被相続人が支払うべき所得税について、相続人が被相続人の代わりに申告・納付することを準確定申告といいます。準確定申告は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内に行う必要があります。具体的な手続きや必要書類等については下記の国税庁の案内を確認すると良いでしょう。なお、相続放棄をする予定の方は準確定申告をすると単純承認に該当するため、手続きしないように注意が必要です。
相続税申告の期限
相続税の申告・納付は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内にする必要があります。この期限を超えると無申告加算税や延滞税等が課されることになります。また、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例などを利用できないというデメリットがあります。なお、期限までに遺産分割が成立しない場合は、未分割の状態で相続税の申告納付を行い、遺産分割が成立した後に、実際の遺産分割内容に従って修正申告・納付や更正の請求・還付をするということになります。具体的な手続きや必要書類等については下記の国税庁の案内を確認すると良いでしょう。
(参照)国税庁HP「相続税の申告手続」 |
相続登記の期限
被相続人から相続した不動産の名義を、被相続人から相続人の名義に変更する手続きを相続登記といいます。不動産登記法改正により、2024年4月以降、相続登記の申請が義務づけられました。具体的には、相続が開始し、不動産の相続があったことを知った時から3年以内に相続登記をする必要があります。正当な理由なくこれに反すると、10万円以下の過料が科されます。なお、遺産分割協議が3年以内にまとまらない場合、相続人であることを登記官に申告する相続人申告登記の手続をとることで、相続登記の申請義務を果たすことが可能です。この手続きは、相続人が1人で行うことができます。
改正相続法について
寄与分や特別受益に関する新たなルールが2023年4月1日から施行されました。寄与分とは、ある相続人が被相続人の財産の形成・維持に貢献した場合に、その相続人の相続する財産を法定相続分よりも多くする制度をいいます。また、特別受益とは、ある相続人が被相続人から特別の財産的利益を受けている場合に、その相続人の相続する財産を法定相続分よりも少なくする制度をいいます。
改正法では、相続開始から10年を経過した後にする遺産分割について、一定の場合を除き、寄与分・特別受益の主張ができなくなります。すなわち、裁判所は、寄与分・特別受益を考慮せず、法定相続分や被相続人が指定した指定相続分に従って判断をすることになります。寄与分や特別受益の主張により多くの財産を得ることができる相続人にとっては、相続開始から10年を経過した後の遺産分割で不利益を受けるおそれがあるため、注意が必要です。なお、10年経過後でも、相続人全員の合意があれば、寄与分・特別受益の考慮をすることは可能です。
(関連記事)「Q. 遺産分割における特別受益とは?特別受益の具体例を解説」 |
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