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相続Q&A

遺産相続問題に関するよくある質問や、相続に関する基礎知識・豆知識、判例などをQ&A方式でご紹介いたします。

Q. 【子なし夫婦の相続対策】私たちは夫婦のみで子供がいません。相続はどうなるのでしょうか?

2023年9月14日更新

相続の疑問点

夫婦のみで子供がいないご家族の場合、夫又は妻が亡くなったときの相続はどのようになるのでしょうか?残された配偶者が全部相続すれば安心ですが、実際には、何も対策しない場合は残された配偶者とそれ以外の法定相続人との間で遺産相続をめぐって争いになることも珍しくありません。以下では、遺言書がある場合と無い場合に分けて解説いたします。

遺言書がない場合

遺言書が無い場合、法定相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。

例えば、被相続人(亡くなった方)の父母など直系尊属が存命であれば、法定相続人は配偶者と父母(直系尊属)となり、残された配偶者は、義理の両親との間で遺産分割協議を行う必要があります。法定相続分は配偶者が3分の2、父母(直系尊属)が3分の1ですので、寄与分など特別な事情がない限り、相続財産のうち3分の1は義理の両親が権利を持つことになってしまいます。

次に、被相続人の父母(祖父母)など直系尊属の方が全て亡くなっていて、かつ、被相続人に兄弟姉妹がいる場合には、法定相続人は、配偶者と兄弟姉妹になります。法定相続分は、配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1です。なお、兄弟姉妹が亡くなっている場合には甥、姪が兄弟姉妹の代わりに法定相続人になります。

子供がいない場合、法定相続人は配偶者のみであると勘違いしている方がいますが、上記の通り、子供がいない場合、配偶者以外の法定相続人が登場する可能性があることには注意すべきでしょう。

特に、配偶者と義理の両親や兄弟姉妹の仲が良くない場合、遺産分割でトラブルが起こる可能性があります。

遺言書がある場合

遺言書ですべての相続財産の分け方を決めておくことで、遺産分割をしなくて済み、遺産分割で生じるトラブルを予防することができます。

なお、兄弟姉妹(甥、姪)には遺留分がありませんが、父母(祖父母)の場合は遺留分があります。遺留分とは、兄弟姉妹以外の法定相続人が相続できる最低限の取り分のことです。そのため、配偶者に相続財産を全て相続させるといった遺言の場合、配偶者が父母から遺留分侵害請求をされる可能性があります。

相続トラブルを防ぐには、遺産分割が不要で、遺留分を侵害しないような遺言書の作成がお勧めです。

(関連記事)「Q. 法定相続分とは?遺産相続の分配割合について解説
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※遺言書の作成をご希望の方はこちらのページをご覧ください。

【記事監修者】

弁護士法人しらと総合法律事務所・代表弁護士 白土文也 (しらとぶんや)  
第二東京弁護士会所属  中央大学法学部法律学科卒業

【代表弁護士白土文也の活動実績】
・相続弁護士基礎講座(弁護士向けセミナー)講師(レガシィクラウド動画配信)
・ベンナビ相続主催「相続生前対策オンラインセミナー」講師
・弁護士ドットコム主催「遺産相続に関する弁護士向けセミナー」登壇
その他、取材・講演多数
  
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